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『キネマ旬報(昭和40年正月号)』 米国興行者の選んだドル箱スターのベスト・テンを紹介しましょう。1位ドリス・デイ、2位ジョン・ウェイン、3位ロック・ハドソン、4位ジャック・レモン、5位ケーリー・グラント、6位エリザベス・テイラー、7位エルビス・プレスリー、8位サンドラ・デイ、9位ポール・ニューマン、10位ジェリー・ルイスとなっています。日本だとオードリー・ヘップバーンが1位になると思うのですが、選外とはね。 表紙はエリカ・ベーア。ドイツの女優らしいのですが、私の知らない女優で〜す。 |
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『バガボンド27』(井上雄彦:著) モーニングKC:2007年11月29日第1刷発行 原作は吉川英治の『宮本武蔵』ね。だけど、登場人物を借りただけで原作とは全く別の作品に仕上がっています。吉川武蔵は、姫路城の幽閉から開放されて京に行った時点で剣の腕前は超一流で、あとは精神修業的なところが多かったのですが、井上武蔵は腕も精神も常に発展途上。強敵(吉岡清十郎なんて“一の太刀”の達人なのだ)たちと対決するたびに、腕が上がっていくのですな。そして、一乗寺下り松で吉岡門弟70人を相手する中で疲労困憊し、無我の境地に達していきます。こんな発想をした武蔵像は、映画にもテレビにも今までなかっただけに斬新です。絵の魅力もさることながら、井上雄彦はカット割りが抜群に巧いですね。映画を見ている感じになります。チャンバラも満足にできない映画より、格段に迫力がありま〜す。 |
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『ムサシ(全5巻)』(桑田二郎:著) ノーベル書房:1994年7月20日初版発行 『まぼろし探偵』や『エイトマン』の桑田次郎から、精神世界に境地を見出した桑田二郎が宮本武蔵の『五輪の書』を基にした劇画です。 主旨を要約すると、「仏神は敬うとも仏神に頼らず、あくまでも自らの精神力と剣の力と技で勝利するのだ。しかし、魂の次元で敵を愛せよ。憎しみの敵意や野望の心を持って剣を持ってはならない。邪の心は修羅の道となり、地獄へ進むばかり。生きるためには戦わねばならない、勝たねばならない。しかし、人々が生きる中に自分も生かされており、自分が生きるにおいても人を生かさねばならない。それには人に勝つ以前に自分に勝つことだ。 自分に勝つには“我”を“無”にする必要がある」ですかね。それにしても、自己中心の“我意識”ばかりを異常に発達させた世の中になってしまいましたねェ。 |
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『PEACE MAKER(1巻)ピースメーカー』(皆川亮二:著) ヤングジャンプ・コミックス:2008年1月23日発行 西部劇マンガといっても架空の世界が舞台なんですけどね。主人公は父の形見のコルトSAAを持って、兄を捜す旅をしています。少女を救ったことから殺戮集団・深紅の処刑人から狙われ、早射ちの腕前を見せたことから訪れる町々で決闘を挑まれることになるんですな。 スポットバーストショット、ゲットオフスリーショット、ツイストドローとか、嘘かホントかわからないようなガンプレイを見せてくれます。小文字で書かれた捨て台詞も面白〜い。 |
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『PEPPER・ペッパー』(たがみよしひさ:著) ぶんか社:2008年2月1日発行 1991年に秋田書店から発売された書き下ろし単行本の復刻版です。 黄金の彫金が施されたナックルダスター銃を持つ主人公ペッパーが、失われた過去と謎の財宝を求めて悪党たちと戦う物語ね。 同様の彫金銃が14丁あるのですが、銃の種類が全部違うというのがお楽しみ。著者が銃好きだということがわかります。クローバーリーフやサベージなんて西部劇で普段お目にかかることなんてないですからねェ。 |
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『鞍馬天狗のおじさんは』(竹中労:著) ちくま文庫:1992年8月24日発行 アラカンの鞍馬天狗を調べるために読み直す。初出は1976年と古い本ですが、アラカンの語りを通して日本の大衆映画史がいきいきと描かれているので、今読んでも全然古びていませんね。 鞍馬天狗について語っているところだけを拾い読みするつもりが、読んでいるうちに止めることができなくて最後まで読んでしまいましたよ |
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『角兵衛獅子』(大佛次郎:著) 少年倶楽部文庫:1972年10月16日発行 1927年に書かれた少年向け小説ですが、大人が読んでも面白いです。精神年齢が低いので丁度よいのかもしれませんがね。 本書は『少年倶楽部』連載時に使われていた伊藤彦造の挿絵がそのまま使われていて、これが迫力あるんですよ。 |
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『嵐寛寿郎と100人のスター・男優篇』(荷村寛夫:著) ワイズ出版:1996年7月6日発行 アラカンと共演したスターが網羅されており、スチール写真もふんだんに掲載されているので、重宝しています。 それと著者が大のアラカン・ファンであることが文章の節々から感じられ、熱き思いが伝わってきて好感を持ちました。 アラカンが“忠臣蔵”で大石内蔵助を演じていないことを、無念でならないと著者が語っていますが、私も全く同感です。バンツマ、大河内、千恵蔵、右太衛門、長谷川と比較した時、内蔵助のイメージに一番近いのがアラカンのような気がするからで〜す。 |
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『放送禁止作品』 三才ムック:2008年3月1日第2刷発行 テレビ情報誌を買いに行ったコンビニで見つけ、面白そうだったのでついでに購入。とばし読みするつもりが、一読してしまいました。 未見の東宝怪獣映画『獣人雪男』(1955年/監督:本多猪四郎)がテレビ放映どころかソフト化もされない理由がわかりましたよ。 それと『徳川一族の崩壊』(1980年・東映/監督:山下耕作)もね。観ることができないと、無性に観たくなるものですねェ。 |
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『消えた信長』(小林久三:著) 光文社:1991年11月30日初版発行 “本能寺の変”で信長の遺体が見つからなかったのは有名な事実で、その謎をテーマに色々な歴史ミステリーが書かれていますね。 本書では、徳川と島津の関係に注目して大胆な推理を展開しています。客観的に考えると、かなり無理な設定なのですが筆力で最後まで読ませます。 |