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『懐かしの昭和こども新聞』(昭和こども新聞編纂委員会:編) 日本文芸社:2006年1月25日第2刷発行 アニメ、特撮、プロレスをメインに1963年から1978年までの“こども文化”を新聞形式で紹介したものです。年代的には団塊の世代より5〜6年後の世代の人が、当時を懐かしく想い出す紙面作りになっています。おそらく編集メンバーに団塊の世代がいなかったのでしょう。 8桁の加減乗除計算のできる電卓がシャープより発売され、価格が99800円で大卒初任給の3ヶ月分だったことを、1969年の瑣末記事の中に見つけました。私の記憶では、5年後の74年には大卒初任給1ヶ月分の5万円をきった値段にまで下がりましたが、それでも当時は高級品。現在のような格安の景品に成り下がるなんて考えられませんでしたね。 |
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『プロレススキャンダル事件史』(別冊宝島編集部:編) 宝島社文庫:2005年10月28日第4刷発行 執筆者の殆どが1960年代生まれなので力道山時代のスキャンダルはありません。一番古いのが、「国際プロレスのTBSでの放送開始」です。オープニングの試合は、今でも鮮明に憶えています。グレート草津がルー・テーズに完膚なきまでに叩きのめされましたからね。このへんの事情は、『悪役レスラーは笑う』にも詳しく書かれていました。 それよりも、三熊宏治氏のコラムでキラー・シクマのことがわかったのは嬉しかったですね。田鶴浜弘氏の著書で名前だけは知っていたのですが、実像が掴めなったかったものですから。 |
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『クリント・イーストウッド伝説』(ダグラス・トンプソン:著、奥田祐士:訳) 白夜書房:2005年11月1日初版発行 イーストウッド本人および関係者への30年間のインタビューをもとに、イーストウッドの人生観や映画思想を描き出した評伝。イーストウッドが西部劇にこだわりを持っているのは、「アメリカ産の芸術といえるのは、西部劇とジャズだけだ。なのにアメリカ人は、もうその両方を見限っている。おかしな話だ」と言う彼の言葉に表れています。 『ローハイド』で有名になる前に出演した『シマロン峠の待ち伏せ』を、「Z級の映画、史上最低の西部劇」と言っているのは、スティーブ・マックィーンが『拳銃無宿』で有名になる前に出演した『セントルイス銀行強盗』(原題:The Great ST.Louis Bank Robbery)を「タイトルだけが“グレート”なお粗末な映画だった」と言っているのと相通じますね。生活費を稼ぐためだけに出演した作品には愛着を持てないんでしょうねェ。 |
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『シネマ今昔問答・望郷篇』(和田誠:著) 新書館:2005年12月25日初版発行 『シネマ今昔問答』の続編。著者が関係した作品について三分の一近く占めています。私が観ているのは『麻雀放浪記』だけなので面白さ半減といったところでしょうか。面白くなければ読まなきゃいいわけで、これは著者の責任でなく、他の作品を観ていない私が悪いんですけどね。 和田さんの文章は映画愛に満ちていて、私は好きなんです。本文で記憶間違いによる誤りを気にしていましたが、間違っていたっていいじゃないかというのが、私の考えです。私も映画に関するサイトを公開している関係から、間違い指摘のメールがたまにきます。鬼の首でも取ったように、頭ごなしの指摘は大抵無視しています。「五月蝿えや、勝手にほざけ」てね。だけど、後でコッソリ直すんですけど…… |
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『聞いてびっくり!モデルは誰だ』(素朴な疑問探求会:編) 青春BEST文庫:1992年11月5日第1刷発行 “トレードマークの由来から小説、伝説のモデルまで……”と副題にあるように、幅広くモデルになった人やモノを集めています。その分、一口知識程度で深い内容のものは無いんですよ。詳しく知りたかったら、この本に書かれている事をキーワードがして、調べればいいんじゃないかな。雑学本は、それだけ読んで満足するのでなく、それを基にして調べるのに役立つので〜す。 |
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『TVマル知大事典』(斉藤芳子・椎名大樹・宝泉薫・横森文:編) 日本文芸社:1994年9月25日初版発行 発売時点の関係から1980年代後半から90年代初期の用語が多くなっているのと、編者が1964年〜67年生まれなので、テレビ創生期の用語が少ないのは仕方ないです。現在では忘れられたタレントが記載されていたりして、楽しめますが間違いも多いです。 クラッシュギャルズはライオネル飛鳥(正:ライオネス飛鳥)じゃないし、チャーリーズ・エンジェルの初代メンバーはジャクリーン・ビセット(正:ジャクリーン・スミス)じゃないよォ。 |
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『葉隠三百年の陰謀』(井沢元彦:著) 徳間文庫:1994年7月15日第1刷発行 龍造寺高房を名乗る化猫が現れ、龍造寺家に藩主の座を禅譲するように言って藩主の鍋島閑叟を襲う。近習の侍が化猫に殺されたことを重くみた閑叟は、大隈八太郎(後の重信)に捜査を命じる。 一般に流布している鍋島の化猫騒動というのは、鍋島二代目藩主・光茂は碁が好きで、龍造寺又一郎という若者と碁を打ったところ、負けた腹いせに光茂が又一郎を斬殺します。又一郎の死は無礼討ちとして処理され、そのことに怒った又一郎の母親が恨みをのんで自害、その愛猫のタマが化猫となって龍造寺一族になりかわって藩主に復讐するが、忠心篤い佐賀藩士によって退治されるという物語です。 単なる亡霊でなく、何故化猫なのかを知りたかったのですが、その説明がなかったのは残念です。推理小説として、そこそこ面白かったので是としましょう。 |
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『特撮ヒーローBESTマガジン』 古本屋で定価の半額だったので、在庫しているものを全部購入。全11巻のうち、2・7・9巻がなかったけど、安くゲットできたので満足です。 『特撮ヒーローBESTマガジン』というのは、1960年〜70年代の特撮ヒーローをビジュアルに構成したもので、珍しい写真がふんだんに掲載されているので嬉しくなるので〜す。 画像は第1巻。A4サイズより少し横が長いので、スキャナーから少し端が切れてしまいました。 |
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『映画字幕五十年』(清水俊二:著) ハヤカワ文庫:1995年3月15日第2刷発行 小林信彦さんも巻末の解説で述べられていたように、清水さんの自分史だけでなく立派な昭和文化史になっています。この本を読んで、昭和9年(1934年)から翌10年にかけてヨーロッパ映画の日本語吹替え版が公開されたことを初めて知りました。これまでに私が読んだ“映画史”に関する本には書かれていなかったんですよ。結局、翻訳がまずくて観客にソッポを向かれ、話題にならかったとのことです。成功談(『モロッコ』における日本最初字幕付映画)は歴史に残るけど、失敗談は知られることなく歴史に埋没するということですかね。 それから、映画とは関係ないのですけど、昭和23年(1948年)に、野球雑誌が7誌(『野球界』、『ホームラン』、『ベースボール・マガジン』、『野球時代』、『野球世界』、『オール野球』、『野球日本』)も発刊されていたことに驚きました。現在のように、テレビもインターネットもない時代では雑誌が主要な情報ツールだったんですねェ。 |
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『戦国を駆ける』(神坂次郎:著) 中央文庫:1993年10月10日第1刷発行 17の短編からなる戦国史談です。司馬遼太郎の『尻啖え孫市』で有名な雑賀鉄砲衆の頭領・雑賀孫市が三人いたというのは面白いですねェ。一般的に云われている孫市は鈴木重秀のことなんですが、“南紀徳川史”や“紀州続風土記”に記述のある孫市は鈴木左太夫(重秀の父ともいうが不詳)だし、“日本戦史”でてくる孫市は鈴木重朝(重秀の弟ともいうが不詳)です。色々な史書に書かれた孫市が一人の人物として混同され、痛快部類なヒーローになったみたいですね。 シミュレーション・ゲーム『信長の野望・天翔記』における鈴木重秀の鉄砲レベルはSで、鉄砲100持って篭城したら無敵でした。九鬼嘉隆や百地三太夫の話を面白く読んだのも、ゲームを楽しむためなんだよォ。こんな本を読んだら、またしてもゲームを再開したくなりました。 |